節税目的で寄附することの是非
控除目的で寄付をすることに対して、世間ではあまりよい目を向けてはくれません。
脱税みたいな、そんなニュアンスで受け止められるケースも多く、おおっぴらげに「控除対象になりますか?」とは聞きにくいものがあります。
けれども、そもそも寄付をせずにそのまま税金を払った方が手元にはお金が残るわけですし、寄附する際には安くなる税金分以上に身銭を切らなければならないのです。
また、寄付金控除を利用することで、より多くの援助をすることが可能になります。
例えば、仮に100万円寄付して40万円分の減税となるとすると、その安くなった40万円分で翌年さらに寄付することができます。さらにその40万円分を確定申告することで、次の年に16万円分の減税となりますので、その安くなった分を再度また寄付できます。
さらに次の年も...というふうにやっていけば、実質的には100万円分の寄付でも、控除対象となって税金が安くなる分、数年単位の総額ではより多くの寄付ができるわけです。
受け取る側とすれば、100万円を1回ぽっきり寄附してもらうよりも、その翌年も40万円、翌々年も16万円と継続して援助してもらった方がいいのです。
つまり、あなたが寄付をするのなら、国の方でも税金を安くする形で協力させてもらいますよという意味なわけです。国というのは結局は日本国民全員なわけですから、税金控除をすることで、あなた一人ではなく、みんなが一緒になって援助するという善意がそこにあると私は信じております。
これを「私は純粋な気持ちで寄付したんだから、税金を安くしてもらう気なんてないよ。」といって、税金控除を否定するのはおかしな話です。否定するだけならまだしも、なかには控除を利用する人を非難する人さえいます。
もし本当に気持ちがあるのなら、手間暇をおしまず、堂々ときっちり税金控除をして最大限の寄付をすべきではないかと思うのです。
寄付を受ける人にとっても、より多くの寄附金になった方がいいに決まっているわけですから。