オーナー社長にはIPOという選択肢もある
IPOは創業者利益とか上場ゴールといわれていますが、会社オーナーにとってどういったメリットがあるのでしょうか?
単純に考えれば、仮に創業時に資本金1円で会社をはじめて、新規上場で時価総額10億円の値がついたら、当初に出資した1円が10億円に化けることになりますので、会社の持ち分の半分を売りに出したとしても5億円ぐらいのお金が手に入るかと思います。
これを役員報酬の形で得るとなると税金も時間もかかりますので、創業者が手っ取り早く手持ちのお金を増やしたい場合にはIPOは有用な手段かもしれません。この場合、増資ではなく自分の持ち分を売りに出すことになるので、投資家のお金は会社には入らず、会社オーナーの懐に入ることになるはずです。
一方、新規の株式を発行して増資をする場合、投資家のお金は会社へ入ることにはなりますので、創業者にとってはあまりうまみがないかもしれません。ただし、この場合でも会社のお金が増えますので、会社のオーナーから見ると多少のメリットはあるかと思います。
いずれにしても、会社の評価が高ければ、自分の株の持ち分を高値で売ることができるはずです。
ただ、これを意図的に会社の評価が高いように見せかけ、自分の株を高値で売り抜けるようなケースがあり、いわゆる上場ゴールなどといわれて問題になっています。ゲーム業界のように一時的なブームで業績がよい場合、一寸先は闇ですので、オーナー社長も旬なときに会社を売却して高値で売り抜けたいと考えるのだろうと思います。
上場後にすぐに大幅な下方修正するような会社もあり、上場詐欺などといわれていますが、そのような形での富裕層入りはできれば避けたいところです。