バビロンの大富豪を読む:第1回目
前回のトマ・ピケティ「21世紀の資本」に続き、今回はジョージ・S・クレンソン「バビロンの大富豪」を読んで富裕層について学んでいきたいと思います。
富裕層のバイブルとして評価の高い著書ですが、ピケティの「21世紀の資本」と比べると、より実践的な内容のことがわかりやすく書かれていました。
ただ、書かれている内容については特に難しいこともなく、「収入のうちから1割を貯金していけばお金が貯まるから、貯まったお金を投資してさらに増やしていけば富裕層になれるよ。」ということが書かれているだけです。
非常にシンプルな内容のことが書かれているわけですが、案外、これを実践できる人は意外に少ないものです。特に、非正規雇用で働いている人や借金で首が回らない人などは、生活費と収入がトントン、もしくはマイナスの人もいるわけですので、貯金したくてもできるわけではありません。
けれども、それ以外の公務員とか、毎月、安定した収入のある人にとっては非常に有益な内容のことが書かれているものと思います。安定した収入のある人の場合、毎月、収入の1割を貯金しようと思えば実際に可能なわけですが、ついつい無駄遣いをしてしまって、収入のすべてを使ってしまう人がいます。
そういう人の場合、数年が経過してもお金が貯まることがないため、いつまでたっても富裕層になれるわけではありません。ある程度の貯金があれば、投資で増やすこともできたはずなのに、そういうチャンスも逃すことに繋がってしまうのです。
なので、かなり強く意識して、収入の1割は必ず手元にとっておくんだという強い意志を持つことが必要であり、そういう習慣させ身に付けておけば、時間とともに自然にお金は貯まっていくよという内容のことが書かれていました。
僕はこの本を読んでひらめいたのですが、株式投資などでも、非常に大きなリターンばかりをねらっていたことが多かった気がします。ちょっと買いが強いとストップ高になるだろうとか、10バガーになるのではないかとか、この欲があることで適切な箇所で利益確定ができず、あとであの時に利確しておけばよかったと後悔するケースが多かったです。
けれども、毎月、資産の1割でも増えていけば、福利効果で1年後には3倍程度にはなるものです。市場のやっている日が毎月20日程度とすれば、1日1%の利益でも月に1割は達成できるものと思います。
たとえ少額でも、こつこつと利益を毎月、継続的に積み立てていくことが富裕層への近道といえるのかもしれません。