超富裕層はなぜギビング・プレッジするのか?

ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏など超富裕層のなかには、資産の大半を慈善団体に寄付すると表明している人も多いです。この慈善活動は「ギビング・プレッジ」(The Giving Pledge、寄付宣言)と呼ばれていますが、著名な富裕層が数多く参加する結果になっています。

一見するとすばらしい活動だとは思いますが、誰もがひっかかる点として、寄付する先が自分たちが役員を務めるファミリー財団になっているケースが多いことです。なぜ普通に寄附しないのか?という点が非常に気にかかります。

もし、これを相続税の節税対策であるとするならば、このギビング・プレッジ活動は手放しでは賞賛できないかもしれません。なぜなら、本来、遺産税として入ってくるはずの数兆円の税収が国庫に入ってこなくなるからです。

米国の遺産税は最高税率40%となっておりますので、資産を子供に相続させるだけで数兆円単位の税金を納める必要が出てきます。一方で、慈善団体を設立してそこへ寄付して出資すれば、相続税を回避することができます。そして、子供をその慈善団体の役員につければ、その財団は子供のものになりますので、相続税なしに資産を引き継ぐことができるわけです。

もし、ゲイツ財団がファミリー財団でなければ、私も感銘を受けたとは思います。けれども、夫妻が亡くなったあとは、おそらくは最終的にご子息の方が財団の役員に就任するのではないでしょうか?

誰もが気になる点だと思いますが、このあたりの疑念は払しょくしておく必要があると思われます。

もちろん、国家ではかゆいところに手が届かず、個人でしか成しえない社会貢献の分野があると思います。そのような分野では莫大な資産を持った超富裕層にしか活躍できないと思うので、このギビング・プレッジには意義があるのかもしれません。

当人たちは単純に使い切れないお金を持っていてもしょうがないので、人の役に立つことに使おうと考えているだけなのかもしれませんが、本来、税金として入るはずだった数兆円の遺産税の立場については、どのような認識でいるのかが何も触れられません。

個人的には、資産の半分を相続税の税金として納めた上で、余ったお金で慈善活動をするのがスマートな方法なのではないかと思います。

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